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【花粉シーズン到来】薬剤師が伝えたい薬の注意点と花粉対策 

寒い時期が続く2月。寒さですっかり忘れてしまう「花粉シーズン」。

みなさんは花粉症ですか?
花粉症の人は春が来るのを心から喜べないですよね。

わたしは花粉症です。

花粉は北海道や一部の東北・北陸地方を除いて、すでに飛散しています。
「日本気象協会(2025年)春の花粉飛散予測」によると
今年の花粉飛散量はほとんどの地域で例年より多い見込みです。

花粉症と診断されている人の多くは薬を服用し始める時期だと思います。
薬局に来られる患者さんと接していると、ここを注意してもらいたいな、こうしたらいいのになと思いお伝えする機会があります。
今回はその内容についてお伝えしたいと思います。

花粉症の薬の注意点

花粉症と診断されている人は毎年薬を飲む人が多いと思います。
薬に関して薬剤師としての視点から伝えたいと思うことをまとめました。

薬は早めに用意をしておく

薬は花粉の飛散時期もしくは症状が出始めたら飲み始めます。
症状が出始めてから受診しようと思っても、仕事の都合がつかない、予約がとれないなどすぐに受診できないかもしれません。

毎年、薬を服用している人は1月に入ったら受診日を決めておきましょう。

2月下旬から3月は新規で花粉症になる方もいるので病院(特に耳鼻咽喉科)が混むようになり、待ち時間も長くなります。

早めの受診をおすすめします。

ただし1月で感染症が流行っている場合は避けるよう注意しましょう。
わたしの経験上、1月下旬がおすすめです。

薬は眠くなるから飲みたくない場合

花粉症の薬の副作用は眠気が出るイメージが強いですよね。

眠気が出るほどよく効くと思い込んで眠気をがまんしている患者さんに会ったことがあります。
眠気が出ても生活に支障がなければいいのですが、日中に眠気がでると行動の妨げになり、車の運転など危険な場合もあります。
また学生さんだと授業中に眠気が出て、勉強に遅れが生じるかもしれません。

最近は眠気が出にくく効果のある薬が増えています。
眠気に悩まされているようなら処方医に薬の変更について相談するといいですよ。

市販の点鼻薬は使いすぎに注意

飲み薬だけでなく点鼻薬を使う人も多いと思います。
点鼻薬は定期的に使用するものと鼻詰まりなどの症状がひどい時にだけ使用するものがあります。

症状が悪化すると困るからとたびたび使用する人がたまにいますが、成分によっては使いすぎると逆に症状を悪化させるものがあります。

処方された点鼻薬は医師や薬剤師からあらかじめ説明があると思いますが、市販薬だと知らずに使用している人もいると予想されます

必ず指示されている使用回数を守るようにしてください。

点眼薬を開封したら期限は1か月

花粉症の薬で点眼を使う人もいると思います。

点眼を使用する際に注意することは開封したら期限は1か月ということです。

点眼は目のかゆみが出た時だけ使用したり、かゆみが治まっているのでつい使い忘れる場合があります。使用頻度が少ないと1か月たっても使い切っていないかもしれません。

しかし開封したものを長い期間使用すると目に異常がおこるかもしれないので、1か月たったら新しい点眼に変えるようにしましょう。

ほかの病院を受診する時の注意点

花粉症の薬には抗ヒスタミン薬というアレルギーを抑え鼻炎症状を改善する薬があります。この薬は皮膚のかゆみを抑える作用もあり、皮膚科でもよく処方されます。また、風邪で鼻炎症状があれば処方されることもあります。

そのため処方が重複しやすい薬です。

患者さんの中には服用中の薬を処方医に話していない場合があり、薬局でお薬手帳を見て、重複していると気づく場合があります。

子どもの患者さんに多いです。

抗ヒスタミン薬は2種類を併用する場合もありますが、症状の度合いによります。そこは医師の判断になります。

そのため、必ず服用中の薬については医師に伝えるようにしましょう。

家でできる花粉対策

家に花粉を持ち込まないようにすると症状が少し軽くなるかもしれません。

完全に花粉を持ち込まないことはむずかしいかもしれませんが、持ち込む量を減らすことはできると思います。参考にしてみてください。

風の強い日は窓を閉めておく

換気などで窓を開ける機会がありますが、風が強く吹いているときは窓を閉めておきましょう。どうしても換気をしたい場合は、窓を大きく開けるのではなく少しだけ開けるようにしてください。

花粉シーズンでは洗濯物を室内に干しているご家庭が多いと思いますが、窓のそばより少し離れた風通りのいい場所に干すようにしましょう。

外出時はマスクを着用

マスクをすることで花粉がからだの中に入りにくくなります。まためがねをかけたらさらにいいかもしれません。

実はわが家で唯一花粉症でない娘はめがねをかけています。視力のためのめがねですが、花粉症になっていない理由はめがねにあるのかなと思います。

最近は花粉対策用のめがねもありますし、めがねをかけない人より花粉がからだの中に入りにくいのでしょう。

表面に凹凸のない服を着る

服の表面に凹凸があると花粉がつきやすくなります。ニットやセーターなどは花粉がつきやすいので注意。

表面がさらっとしている服を着ることで花粉対策になります。

帰宅したら上着とかばんは玄関に

家の中に花粉を持ち込まないよう玄関で花粉を払うといいです。

またリビングに持ち込まないよう上着とかばんを玄関に置くようにしましょう。できることならそのままお風呂に入ると花粉が持ち込まれにくくなります。

掃除は部屋の隅までていねいに

花粉症はホコリと同じで部屋の隅に集まりやすいです。

花粉症はホコリと同じで部屋の隅に集まりやすいです。

また空気清浄機があれば部屋の中心部の花粉対策はできますが、部屋の隅にある花粉はなかなか吸い込みづらく残りやすいです。

そのため部屋の隅までていねいに掃除をしてみてください。

まとめ

今回は花粉症について次の内容をまとめました。

  • 薬と受診時の注意点
  • 家に花粉を持ち込まないための対策

花粉症はかかっている人にとってつらく厄介な病気です。症状がひどいと生活に支障をきたすこともあります。睡眠の妨げにもなるかもしれません。

少しでも症状を軽くし、たのしい春を過ごしましょう。

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